- 円滑に整備していくための建設生産プロセスの課題とは?
- DX以外での課題解決策とは?
- 新たに生じるリスクとその対応策とは?
- Kayが自らの技術士取得の体験も交え、最近の問題に斬り込み、回答要点を発信していきます。




建設部門(施工計画)/2022年/選択Ⅲ/試験問題

今回記事から、選択Ⅲの回答要点を発信していきます。まずは、2022年です。例年2問が出題され、そのうち1問を選択します。
2022年 選択 Ⅲ‐2
我が国は、これまでも、安全・安心の確保や持続可能な地域社会の形成、経済成長を図るためにインフラ整備を進めてきたが、引き続きこれらの目的を達成していくためには、我が国のインフラが置かれている状況や社会情勢の変化を踏まえて、必要となる社会資本の整備に取り組んでいく必要がある。
上記を踏まえ、施工計画、施工設備及び積算分野の技術者として、以下の問いに答えよ。
(1)社会資本の整備を持続的に円滑かつ適切に実行していくための、計画、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの建設生産プロセスにおける課題を多面的な観点から3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。ただし、ICT・DXの推進による個々の建設現場の生産性向上に関する課題は除くものとする。
(2)全問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)全問(2)で示した解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
建設部門(施工計画)/2022年/選択Ⅲ/回答要点

回 答 要 点
(1)課題
①生産プロセス施策の見直し: 設計、施工、維持管理のなど、生産プロセスの各フェ‐ズが、分離発注・分業による一貫性の欠如→効率低下。 下流段階(維持管理)から上流段階への情報フィ‐ドバックの仕組み未定着→持続性が確保されにくい。
②担い手確保・育成: 建設人口の減少、高齢化、若手の建設業離れ。施工時期の集中による整備効率低下、休日稼働や時間外労働の発生、教育環境の整備が困難。
③整備予算の確保: 少子高齢化に伴う税収減。激甚化する災害対策や脱炭素化、インフラ老朽対策を有限財源で執行。ウクライナ情勢やコロナ禍、円安影響で建設資材の高騰→事業予算を圧迫。
(2)最も重要な課題: ①生産プロセス施策の見直し
解決策
①一貫性ある建設生産: BIM/CIMを用いた計画・設計段階でのフロントロ‐ディングやコンカレントエンジニアリング→現場固有の施工上、維持管理上の問題点を上流段階で抽出し早期解決。
②メンテナンスサイクルの構築: 経年劣化→点検・補修補強→新設工事への情報フィ‐ドバック。デ‐タベ‐ス化、プラットフォ‐ム化。
③多様な入札契約方式の検討: 上記①の円滑化のための契約形態の採用検討。設計・施工一括発注方式、ECI方式など→固有の施工技術が設計に反映されやすい。
(3)新たに生じるリスク: 包括的な発注形態を多用→受注者が限定されてくる→品質やコストの客観的な妥当性が不透明に。
対応策: コンソ‐シアム方式を容認する、CMrなどの専門性ある第三者を起用し査定させる。

次回は、2021年の選択Ⅲを見ていきます…
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