今回は、2013年 選択III‐2の問題と復元回答((1)まで)をご覧ください。
この問題は、建設業の重大災害についてになります。
Kayが自ら受験した技術士試験の復元回答をお示しします。




選択Ⅲ-2の問題文

2013年 選択III‐2
建設業における労働災害の死亡者数は、1990年代前半には1000人前後で推移していたが、公共事業投資の大幅な抑制や現場の安全設備・安全管理の充実によって、ここ数年は300人台まで減少した。しかし、重大災害(一時に3人以上の労働者が業務上死傷またはり病した災害事故)は平成21年以降増加傾向にあり、社会的に問題となる事故も発生している。このような状況に対し、施工計画、施工設備及び積算の技術士として以下の問いに答えよ。
(1)建設産業や建設生産システムの現状を踏まえ、重大災害を誘発すると思われる要因を三つ挙げ、それぞれについて述べよ。
(2)(1)で挙げた三つの要因に対して、解決するための具体的な実施方策を論述せよ。
復元回答(前半のみ)

復 元 回 答
1.はじめに
わが国は、多額の財政赤字や長引くデフレからの脱却が喫緊の課題となっている。その中で、長年の投資減少で厳しい状況にあった建設部門では、震災復興やインフラ再生、及び国土強靭化への社会要請が高まってきている。このような中、多大な社会的損失(人命・信用信頼・コスト等)を伴う重大災害の発生を抑止し、無事に竣工させ、社会要請に対して的確に応える必要がある。以下に、重大災害を誘発する要因と解決のための具体的な実施方針を述べる。
2.重大災害を誘発する要因
(1)建設事業環境による要因
重大災害発生の要因として、以下の建設事業環境の背景がある。①低価格入札の発生により、安全対策費を削減せざるを得ない状況に陥り、重大災害の引き金となる。②極端に短い工期設定により、輻輳作業や上下作業を余儀なくされ、災害リスクが増大する。③高齢化が進行し、55歳以上の労働者が3割を超え、身体能力の低下の懸念がある。④プレキャスト化に伴い資材の重量化により据付機械が大型化してきた。
(2)建設業の労働安全衛生マネジメント上の要因
現状の建設業の労働安全衛生マネジメント上の要因として以下がある。①店社と現場が位置的に離れるため、工場生産型の製造業と比べ、中央拠点による管理が充分に行き届きにくい。②平成18年の改正労働安全衛生法により、リスクアセスメント(以下RA)が努力義務化された。しかし、実施状況は毎回同様の形式的な表記で終始する形骸化のケ‐スが散見される。
(3)現状の現場体質による要因
建設現場での体質的な要因として以下がある。①現場での安全対策が単なる注意喚起や法令遵守のレベルに留まっているケ‐スがあり、システム化された高度な安全技術が不足している。②書類作成業務を重視する風潮の余り、その反面で、現場担当者による現場を監視する頻度の低下を招いている。
(後編につづく…)
次回、(2)解決するための具体的な実施方策を示します…

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