- 必須Ⅰの設問の切り口はどういうもの?
- 設問に対する回答は、どの様に考えれば良い?
- 8つのコンピテンシーでまだ出てきていない項目は?
Kayが自らの技術士取得の体験も交え、最近の傾向を分析し、対応策を投稿していきます。




必須Ⅰの設問の切り口

続いて、必須科目Ⅰを見てみましょう。2021年のⅠ‐1の設問を例にします。
必須Ⅰ 設問例
(1)建設分野において廃棄物に関する問題に対して循環型社会の構築を実現するために、技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容②を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ④、その課題に対する複数の解決策を示せ②。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果④と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策②④を示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件、留意点⑦⑧を述べよ。
(1)~(3)までは、先ほどの選択Ⅲと設問構成が似ていますね。
主に、②問題解決と④評価が問われています。選択Ⅲと異なる点として、(3)では波及効果とあり、これも④評価に該当します。
もう一つ異なる点として、(4)で⑦技術者倫理への問いかけもなされている点です。ですが、ここは論文の締めに当たる部分でもあり、どの様な設問テ‐マであっても、ある程度の文章の定型化(決めゼリフ)が適用できそうですね。必要となる要件への回答として、⑧継続研さんにも言及するとコンピテンシ‐のバランス的に良いでしょう。
対策は逆行の思考プロセスで

ここでは、選択Ⅲと必須Ⅰに共通する対策をお話します。前述の通り、設問の切り口そのものが両者は共通しています。ですので、その回答の骨子の思考プロセスも同様になります。
結論から言うと、先に解決策を考えてから課題を設定する、逆行する思考プロセスです。
現行前の2013年~2018年までの選択Ⅲや、2012年までの必須Ⅰでは、課題と解決策が2あるいは3セットという形が主流でした。一方、2019年以降の現行からは、課題3つ列挙、うち最も重要なもの一つ抽出、それに対する解決策、新たなリスク…という流れです。
出題側としては、広範な視点で課題を抽出させることと、解決策は従来制度よりも深く具体性を問う意図なのだと推察されます。
仮に、これを設問の流れ通りに骨子を思考していくとします。課題を3つ挙げ、そのうち重要な課題を一つ上げるまでは問題ないでしょう。しかし、その一つの課題から有効な解決策を3つも挙げられるでしょうか?ネタ詰まりし、解決策の最後の1つが内容の薄いものになりかねません。
なので、3つの解決策をまず考え、逆行して課題を設定します。その際、3つの解決策と1つの課題が紐づいている状態でなければいけません。課題の残り2つは課題内容だけ説明できれば良いです。
ここでは、ちょっとした工夫が必要になります。課題の1つは、広範な要素を包括できる文言にします。例えば、「〇〇の施策の見直し」という課題の設定方法が有効です。「施策」としておけば、大概の出題テ‐マで幅広く解決策を記述できます。
残り2つの課題は、「〇〇のリソ‐スの確保」、「〇〇の技術開発」という具合に課題同士、あるいは解決策と被らない切り口にしておけば良いと思います。〇〇とは、出題テ‐マのことで、例えば脱炭素化やDX化が入ります。
「従来制度と比べて有利か不利か」で言えば、現行制度では、解決策にプラス新たなリスクと対策までセットで考えなければいけませんが、3つの課題の内、最も重要以外の2つに対しては、明確な解決策が書けないものでも課題設定できる、という利点もあったりします。
試験を通じたコンピテンシーの振り分け

コンピテンシ‐は全8項目ありますが、唯一未登場の①専門的学識はどこで問われているのかと言えば、問題Ⅱ‐1でしっかり問われています。(まぁ、専門的学識はすべての土台でもありますが。)もちろん、コンピテンシ‐の項目によって問われるウエイトは異なりますが、あくまで二次論文試験内での振り分けです。
①専門的学識は一次試験がむしろメインですし、③マネジメント、④評価、⑤コミュニケ‐ション、⑥リ‐ダ‐シップ、⑦技術者倫理、⑧継続研さんの項目は口頭試験でも試問されることになります。
ざっと試験項目ごとにコンピテンシーの振り分けをまとめると、以下の様になります。
- 一次試験(基礎・専門科目):①専門的学識
- 一次試験(適正科目): ⑦技術者倫理
- 二次筆記試験(必須Ⅰ): ②問題解決 ④評価 ⑦技術者倫理
- 二次筆記試験(選択Ⅱ‐1): ①専門的学識
- 二次筆記試験(選択Ⅱ‐2): ②問題解決 ③マネジメント ⑤コミュニケ‐ション ⑥リ‐ダ‐シップ
- 二次筆記試験(選択Ⅲ): ②問題解決 ④評価
- 口頭試験: ③マネジメント ④評価 ⑤コミュニケ‐ション ⑥リ‐ダ‐シップ ⑦技術者倫理 ⑧継続研さん

まとめ
- 必須Ⅰの問いかけは選択Ⅲと大部分が共通している。最後の設問は決めゼリフでもある程度対応できる。
- 必須Ⅰと選択Ⅲでは、先に解決策を考えてから課題を設定する、逆行する思考プロセス。
- コンピテンシーは、一次試験、二次筆記試験、口頭試験の各試験項目に振り分けられている。
次回は…

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