【技術士総監部門/回答要点編】⑥総監/記述式/2020年/回答要点

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  • 自然災害と事業場の設定はどのようにした?
  • 事業場が受ける被害の内容とは?
  • 総監視点での自然災害への実施対策と優先順位は?
  • Kayが自らの技術士取得の体験も交え、最近の問題に斬り込み、回答要点を発信していきます。

前回までの話は…
①総監/記述式/2022年/試験問題
②総監/記述式/2022年/回答要点
③総監/記述式/2021年/試験問題
④総監/記述式/2021年/回答要点
⑤総監/記述式/2020年/試験問題

目次

総監/記述式/2020年/回答要点

 今回記事では、総監2020年の問題に対する回答要点を示していきます。5つの管理にバランスよく触れていきます。

回 答 要 点 

(1)私が経験したことのある事業場

①事業場の名称: 生産施設建設工事現場

②事業の目的及び創出している成果物: 顧客の生産計画を聞き取り、最適な生産空間を提案および提供する目的。ラーメン構造の鉄骨造の生産施設。建築・電気設備・機械設備・外構造成含む。設計施工一括方式での請負。基本設計⇒概算⇒基本合意⇒詳細設計⇒詳細見積⇒契約締結⇒施工⇒竣工引き渡しのフローとなる。 

③事業場の概要: 積雪地域である○○県○○地域の工業団地の一角で敷地面積は1万㎡。建築面積5,000㎡の生産施設の建設現場。請負金額は約20億円。契約工期は4月~翌年3月までの1年間。当社は元請事業者のゼネコン。事業場には、1日平均50人程度の協力業者が入場し各工種の工事を担当。元請である自社の現場職員は、統括安全衛生責任者含め5名で施工管理業務。

(2)事業場に対して将来甚大な被害を及ぼす可能性のある異常な自然現象

①取り上げる異常な自然現象と予想される周辺地域における被害状況

本稿では豪雪を取り上げる。3日連続の吹雪で積雪量が1mを超える。国道などの主要幹線を優先に除雪作業が開始されているが、山間部に近いエリアは全面通行止めの箇所もある。市街地エリアでも片面交互の徐行制限があり大渋滞になっている。周辺の古い家屋では屋根が崩落する事象がある。

②事業場が受ける可能性のある主要な被害3つの内容

A :施工体制の崩壊…現場職員や協力業者、本社の支援機能を含めた安否情報が断片的にしか揃わず、施工体制が維持できなくなる

A0:緊急時連絡網の構築(情報管理)…社内と協力業者含めた事業場の緊急時連絡網の構築をする。

A1:災害復旧体制の構築(人的資源管理)…土工業者の協力を得て事業場内の緊急除雪作業ができる体制とする。社内技術者も除雪のための一定の建機運転の免許を取得させておく。⇒事業継続が容易になる効果

A2:CCUSの運用(情報管理)…協力業者向けにCCUS(建設業キャリアアップシステム)のICカードの運用⇒連絡網の構築や管理が円滑化する効果

B :二次災害の発生…低温に伴う雪の凍結により事業場内でスリップ事故が発生

B0:日々の安全サイクル運用(安全管理)…朝礼や掲示物での安全作業指示、自主的な安全活動ミーティングの実施

B1:構内先行舗装(経済性管理)…計画施設の構内のアスファルト舗装を2重構造としておく⇒冬季前に下層の舗装を先行施工⇒豪雪時の除雪が容易⇒凍結リスク低減の効果⇒凍結に伴う工程遅延も抑制(副次効果)

Ⅽ :工期遅延…豪雪災害に伴い、工事工程が停滞し契約工期に間に合わなくなる

Ⅽ0:契約約款の整備(情報管理)…発注者との契約約款に大災害時の工期変更の協議について盛り込む⇒豪雪を含めた大災害発生に伴う工期変更協議を円滑化⇒受注側のみの責任負担を回避

Ⅽ1:プレキャスト化、ユニット化の推進(経済性管理)…建設に使用する部材のプレキャスト化、ユニット化を推進⇒製品の工業化⇒現場へ輸送⇒現場では部材の取り付け、据え付け作業のみ⇒現場作業人員の削減および簡略化⇒大災害時に有効⇒輸送は必須のためサプライチェーンの遮断時は残留リスク

(3)対策の実施の優先順位を含めた実施計画と優先順位の理由

優先順位①:Ⅽ1

・従来型の人海戦術に依存した施工法から脱却でき、より少ない人員と作業工程で施工できるため、有事の施工対策として有効(経済性管理)。

・直接的なコストは高騰するが、期間短縮に伴う仮設維持費や現場職員の人件費などの間接的コストは縮減できる(経済性管理)

・工程短縮(経済性管理)や、産廃・騒音の発生抑制(社会環境管理)などの相乗効果も期待できる

優先順位②:A1

・豪雪時に限らず、土砂災害時などの事業継続にも有効な対策(安全管理

・事業場内だけでなく、周辺地域への貢献も果たせる(社会環境管理)

優先順位③:A2

・緊急連絡網の構築のみならず、作業員の技能向上のインセンティブにも寄与(人的資源管理)

・国全体として推進し普及しつつあるため、事業場単位ではさほど予算は要さない(経済性管理)

次回、2019年の問題を見ていきます…

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