【技術士総監部門/復元回答編】①私が実際に合格した試験問題と復元回答 その1

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  • 2017年の実際の試験問題の内容とは?
  • 注意すべき問題文のある要件とは?

社会人になるまで技術士の存在も知らなかった、一級建築士のKayが技術士(建設部門)に続いて総監部門を取得した体験をもとに復元回答を発信していきます。

目次

私の復元回答は…

 ここでは、2017年の実際の試験問題と私の復元回答をお見せします。合格体験編⑥でも触れましたが、お恥ずかしながら当時の私はSDGsの意味を分かっていませんでした。ですが、問題文に用語の説明があり、それ自体は全く支障ありませんでした。記述式は、知識そのものを問う試験ではないということでしょう。

 ただ、問題文にある『事業は有期のプロジェクト(開始と終了が計画されている。)とは異なり,ある程度の継続性を前提としたまとまりとして捉えるべきものである。』には要注意です。単体の個別工事を事業として取り上げると、本問の要求を満たせません。

 合格体験編⑦でも述べた通り、実際の試験では『集合住宅建設事業』と微妙な表現で記載してしまいましたが、ここでは、より題意に沿う形となる『集合住宅整備事業』に書き換えておきました。ご了承ください。

 また、近年の傾向でもありますが、過去、現在、未来の課題を抽出させており、そこは準備できていました。傾向分析編③で紹介した王道の対応策ネタ(プレキャスト化、ユニット化)が本問でも使われている点にも着目ください。

総監 必須 Ⅰ-2 2017年 試験問題

2017年 必須 Ⅰ‐2 

次の問題について解答せよ。(指示された答案用紙の枚数にまとめること。)

2015年に「国連持続可能な開発サミット」が開催され,持続可能な開発目標(SDGs)を含む「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された。これは,開発途上国の開発に関する課題にとどまるものではなく,世界全体の経済,社会及び環境の三側面を,不可分のものとして調和させる統合的取組である。

 我が国でも政府がSDGs推進本部を設置し,実施指針を示している。その中では,「持続可能で強靭,そして誰一人取り残さない,経済,社会,環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」ことがビジョンとして掲げられ,8つの優先課題と具体的施策が示されている。表1がその具体的な内容であり,これらは日本としての施策の観点からまとめられているものの,総合技術監理部門の技術士にとっても参考となろう。

 ここでは,総合技術監理に携わる技術士として,事業における持続可能性(Sustainability)に関する課題を考えていきたい。持続可能性は,持続可能な開発(持続可能な発展とも訳されており,この方が先進国の実態には近い。)の前提となる概念であるが,経済,社会,環境などが将来にわたって適切に維持・保全され,発展できることを意味している。

 なお,事業は有期のプロジェクト(開始と終了が計画されている。)とは異なり,ある程度の継続性を前提としたまとまりとして捉えるべきものである。例えば,一定の地域における水循環システムを対象とした上下水道事業などが該当する。また,水供給のみに限定し上水事業として捉えることもできるし,水処理事業,浄水場維持管理事業などとして限定的に捉えることも可能である。ただし,例えば個々の浄水場建設や高度水処理システム更新工事などは一過性のプロジェクトであり,ここでの事業の定義とは異なる。その他にも事業としては,河川維持管理事業,道路交通安全事業,電気自動車事業,医薬品事業など様々なものが挙げられよう。

 ここで,あなたがこれまでに経験した,あるいはよく知っている事業を1つ取り上げ,その事業が目指している社会ニーズの充足や目的とする成果物の創出などを考えたとき,事業が対象としている経済,社会,環境などの持続可能性について,その課題と解決の方向性について,総合技術監理の視点から以下の(1)~(4)の問いに答えよ。ここでいう総合技術監理の視点とは,「業務全体を俯瞰し,経済性管理,安全管理,人的資源管理,情報管理,社会環境管理に関する総合的な分析,評価に基づいて,最適な企画,計画,実施,対応等を行う」立場からの視点をいう。また,表1の内容は施策を示したものであり,参考として利用することは推奨するものの,この中から項目を選択することを誘導しているものではない。

 なお,書かれた論文を評点する際,考察における視点の広さ,記述の明確さと論理的なつながり,そして論文全体のまとまりを特に重視する。

表1 8つの優先課題と具体的施策

①あらゆる人々の活躍の推進

■一億総活躍社会の実現

■女性活躍の推進

■子供の貧困対策

■障害者の自立と社会参加支援

■教育の充実

②健康・長寿の達成

■薬剤耐性対策

■途上国の感染症対策や保健システム強化,公衆衛生危機への対応

■アジアの高齢化への対応

③成長市場の創出,地域活性化,科学技術イノベーション

■有望市場の創出

■農山漁村の振興

■生産性向上

■科学技術イノベーション

■持続可能な都市

④持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備

■国土強靭化の推進・防災

■水資源開発・水循環の取組

■質の高いインフラ投資の推進

⑤省・再生可能エネルギー,気候変動対策,循環型社会

■省・再生可能エネルギーの導入・国際展開の推進

■気候変動対策・循環型社会の構築

⑥生物多様性,森林,海洋等の環境の保全

■環境汚染への対応

■生物多様性の保全

■持続可能な森林・海洋・陸上資源

⑦平和と安全・安心社会の実現

■組織犯罪・人身取引・児童虐待等の対策推進

■平和構築・復興支援

■法の支配の促進

⑧SDGs実施推進の体制と手段・マルチステークホルダーパートナーシップ

■国際協力におけるSDGsの主流化

■途上国のSDGs実施体制支援

次回、復元回答(前半)になります…

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